キューバ


 カリブの真珠、キューバ旅は或る意味衝撃的だった。外国人旅行者は、国民が使うCubaペソではなく、その24倍に当たる通貨CUCを使わされる。
 それは、生活レベルにおいて24倍近い差があるからだと押し付けられるものだ。流通、情報なども24年程も遅れているだろうと想像できる。勿論
 これは、アメリカによる経済封鎖が原因だ。しかし、本当にそれだけだろうか・・・唯一、共産主義が成功した国だと聴いていた・・・無料医療はじめ、
 何の心配もなく、老後が充実している社会保障制度云々と・・・しかし、一般的な中高年以上の人々には、歯を失って隙間だらけになってしまって
 いる人を多く見かけ、恒常的に咳をしている多くの老人など・・・また、ハバナ市の老朽化は目を覆う。アパートの壊れてしまったルーバーは
 代替品が無い。落ちそうになってしまっているバルコニーもなんとかごまかしながら使われていて危険極まりない状態が目立つ・・・メルカドでは
 数種類しかない野菜が、留置場みたいなケイジの中に転がっており、朝夕の決まった時間帯のみ買う事ができるが消費者は品物を選べない。
 欲しい量をケイジ内の販売員に伝えると、配給ノートに記載され、半分腐っているようなのが混じって渡されてきても文句を言う人はいない・・・
 しかし、庶民が一生行くことはないであろう高級レストランにはあらゆる食材でできた料理が並び、あきらかに街で見かける人達とは違う種類の
 ファミリーが、豪華な大皿を幾つもオーダーし平気で食べ残していく・・・

今回のキューバ旅は、旅友のまり子との二人旅になった。フットワークの良い彼女がパッパとチケット手に入れてハバナに飛んできた。まり子は旅の
達人である。年6回は地球狭しと世界を飛び回る。それも、仕事をしない半年の間だけだ。しっかりと調べて出てくるのでいろいろな事を知っている。その
彼女、実は外国語は話さない。栃木弁だけでアフリカまでも行ってしまうのだ。彼女自身の荷物はほんの僅か。バックには粗品等どこの家にも転がって
いるものがたくさん詰まっている。宿のおばさんにあげたりして値引き交渉する。彼女の駆け引きは一見に値する。今回のキューバはまさに物不足地獄
だったのだから、まり子の先見の明に感服だ。! *彼女とはクロアチア、ザグレブのドミで出会ったおばちゃんパッカー同士♪
キューバ一周してきてハバナで解散、学ぶことの多い旅だった!
  ハバナ   Cancun⇔Havana 4000peso(TouristCard込) 片道と往復の航空運賃はほとんど変わらなかったので、日本から
      Havana          約1時間半   (26,000円)            はまずカンクンへ入り、ロサス7の情報ノートをコピーしてから
                                                 キューバ往復した。これは、大正解だった。

                  カピトリオ・ハウス 10CUCドミ 朝食付き 日本人が多く泊まっているカサ。カピトリオの北側SanMartin通りに面している
Cubana.Airには脅かされる。離陸後、数分すると、機内には白い煙が充満してくる。実は、ここでパニックにならないようにとカンクンのロサス7で聴いていて、心の準備はできていた。Havana空港では荷物のラップが、Cubana.Airに乗る場合は無料サービスが行われている。ハバナ空港では、抜き取りなどのトラブルが日常的らしい。 キューバといえば、ラム酒。最もポピュラーなハバナクラブは日本で買う半額だ。葉巻と共に、キューバを代表している。キューバでは、路上で泥酔している人をよく見かける・・・
建物は老朽化が進んでいる。ハバナの中心にあるカピトリオ(旧国会議事堂)は立派だが、その北側と西側にはひどく老朽化したアパートが並んでいる。窓のルーバーが壊れて一つのネジだけでぶら下がっていたり、今にも崩れて落下しそうな錆びたバルコニーから顔を出す人々。一年の大半が高温多湿ゆえ、壁は黒カのシミがびっしりと付いている。 カピトリオの北に面しているカサ、通称カピトリオ・ハウスは多くの日本人愛用宿一人10CUC朝食付きドミトリー。居心地の良さは定評だが、一人だと20CUCだと云われる。そんな時には、すかさず、ロサスで10CUCだと聴いてきたといえば、了解してもらえる。Capitolio北側を通るSanMartin通りに面し黄色のドアの上がカサ。バルコニーからはカピトリオが目の前だ。
エルネスト・ゲバラの人気はすごい。真の人気なのか商業的な意図なのかは、今一判断が付かないが、彼は実に魅力的なキャラクターだ。常に自然体であり子供のようにはにかみ屋。権力側に身を置くことは肌に合わなかった。その彼をして、あふれるゲバラグッズは明らかに不快だろうなぁと察する。ゲバラになりきってるタダの人。 クラシックカーマニアには、涎の出そうなアメ車が溢れている。そのほとんどはアメ車タクシーとして観光客に人気だが、個人愛用も多い。外装カラーは凝った色合いが目立つ。内装は、クラシック調ながら改装されているものが多い。難といえば燃費。Oilは100%ベネズエラからの輸入に頼っている。
旧アメリカ大使館前には120本ものポールが立っている。ゲバラが好んで被ったベレー帽、黒地に星は少佐階級章の旗が20本風にはためいている。つい先日まで100本程の黒い星条旗があがっていた事で有名だが、オバマ大統領の就任により、グアンタナモ閉鎖など関係改善が示唆されるため今はそれらは下ろされている。 若き日のゲバラは、いろんな冒険をしている。バイクで南米あちこちを旅した事は知られているが、筏を組んでアマゾン?も下っている。
  バラコア  ハバナ→サンチャゴデキューバ→バラコア 51CUC(15時間)、15CUC(5時間)
   Baracoa                     バスは外国人用(Viazul)とキューバ人用(Astro)に分かれている。*キューバ人の7,8倍高い。
                             バスチケットを買うのが面倒だ。運が良ければ、高級ホテルの旅行社で予約できる。大概は、
                             いちいちターミナルオフィスまで行かなければならない。コンピューターは使われていない・・・
                カサ ElBalcom No.53-B 二人で10CUC朝食2CUC値切り過ぎた・・・濃いブルーの建物の2階、中は素晴らしくきれい。 
 
 キューバの東の果てバラコアまでは、ハバナから丸一日弱掛かる。ここには、世界遺産の国立公園があり、黄色いカタツムリポリミタスが有名だ。
 また、テーブルマウンテンがあったり、トレッキングコースがいろいろある。そのテーブルマウンテンへのトレッキングを申し込んだ日、夜中から
 ひどい雨が降り始め、朝になっても全然止まない・・・仕方なくトレッキングはキャンセルした。町はとても素朴でのどかだ。

焼きたてのパン。残念ながら匂いほど美味しくない。そして、この一種類だけ。土地の人は配給ノート持参。なんと4個で1円もしない。ツーリストは配給ノートなしで買えてかつ値段は同じ。注意しないといけない事は、基本的に袋などに入れてはくれないので、それらを持参。日本では、最近盛んになってきたが、キューバではずっと前から・・・ 肉屋。肉といっても、売っているのは、豚肉だけでそれも脂身だけ。それでも、人気は高い。店は、時間で開く。それ以外はドアを閉めてしまっているし看板など無いので、店という事さえ分からない。
馬タクシー!はバラコアの人達の足。小さな町の海岸沿いの道を流している。乗せてくれと言ったら、他の人を皆降ろし、貸し切りにしてボッてきた。 壁を切った窓で商売しているピザ屋。ピザはとてもポピュラーであちこちで買える。1つ、5キューバペソ。約20円位。これも、袋は当然無し、勿論包んでなんてもらえないので、熱いのをそのまま受け取る。このピザはとても美味しくてボリュームがある。炭火(凝っている訳ではない)で焼いているので待つけど、馴れた。
 トリニダー  バラコア→サンチャゴデキューバ→トリニダー 15CUC(5時間)、33CUC(12時間)
  Trinidad              カサ Hostal LaCanchanchara Tel 994463 Ruben M.Villena #91 二人で20CUC 朝食3CUC 
                      公認を受けたカサを営業する事は、キューバの人々にとって手軽にCUCを稼ぐことができる効率の良い方法だ。
                      そのため、バスターミナルには客引きがたくさん来る。そもそも、余分の部屋を持っていてそこにツーリストを泊める
                      という条件が整ったカサは少ないようだ。自分達は狭くて暗い部屋に住み、客に明るく改装された部屋を使わせて
                      いるのが一般的で、中には自分達はリビングの片隅の簡易ベットで親子が一緒に寝起きし、かつては自分達が
                      使っていた部屋を客用にあてがっていたりしている。そして、客が来ようが来まいが一定の上納金は政府に納め
                      なければならない。唯一朝食代だけが、直に彼らの懐に入るとの事だ。それで、上納金を納めない闇カサが横行
                      する事になる。(カサの公認を受けるのに時間が掛かるという事情もあるのだが。)しかし、密告社会ゆえそれを通報
                      する者がいる。ガサ入れに踏み込まれ、夜中に外に放り出された経験を持つツーリストもいる・・・
ほとんどの店がこのような鉄格子越しに客とやりとりする。ここは、なんとアイスクリーム屋。アイスクリームの小さな看板をしまうと、普通の家になってしまう。チョコアイスを買ってみた。1.15キューバペソ。5円くらいで味はチョコレート色した甘いかき氷。砂糖はたくさんあるだろうに、なぜか人工甘味料の味がする。 人が無言で集まり始めた一角のドアが17時に開いた。そこは、野菜メルカドだった。わずか6,7人の客が買い物しただけでもう品切れらしい。テーブルの上には、残りカスのような玉ねぎと半分腐ったキャベツが売り物として残っていた。
石畳のコロニアル、トリニダーの町並みは美しい。しかし、仕事が無い男性の姿が目立つ。仕事があっても、月給は1000円から1500円位らしい。配給制なのだが、わずかなお金を払うようになっている。ビールは、外国人と同じ1CUC(100円位)を払わないと買えない。 食料品、生活雑貨のメルカド。棚はガラガラだ。この棚の他には商品は置いていない。食器洗い用のスポンジが数個乗っている棚。小さなマッチ箱がたった2つだけの棚も・・・
世界遺産に登録されたトリニダーはコロニアルの街がそっくり残っている。ハバナから近い事もあって人気が高く、ここのカサは強気だ。旧市街には、観光客向けの土産物屋や数件のレストランなどが並んでいる。夜になると、街の角角でレストラン?の客引きが盛んになる。それは、個人宅で行われている闇レストランだ。自分達の夕飯をちょっと体裁良くして商売しようというもの。値段を訊くと、レストラン並みだった。死角になる中庭にテーブルがいくつも並んでいるものもあった。 キューバ独特の風景は、入口に立っている人達ではないだろうか。特にお年寄りは、日永一日を入口に置いた椅子に座って過ごしている人が多い。特にお年寄りに、重い上半身に比べて足が細い人が目立つ。石畳の街は相当に歩きにくく歩道との段差も結構大きい・・・階段も多い・・・結果あまり歩かないで家の前で座っているのだろうか・・・
 バラデロ  トリニダー→バラデロ 20CUC(4時間 
                    闇カサ 二人で10CUC ターミナル近くのおばあちゃんカサ。一人が使ったらシャワーが壊れた・・・
                    Hotel Pullman 二人で60CUC 朝食込 *湯シャワー(5分後にガンガン出る)トイレ付き(二日目、おばあちゃんは
                                              ハバナへ行くため追い出された)
 高級リゾート、バラデロの2月は結構寒いがそれでも波高目の海で泳いでいる人も。ここは、キューバといえどちっともキューバではない。国際空港があり、高級オールインクルーシブ・ホテルが並び、ビーチリゾートだけが目当ての観光客がたくさん集まってくる。ビーチ沿いに並ぶホテルには大小レストラン、バー、サルサレッスン、などなど。他のキューバの街にはいっさい行かず、リゾート・ホテルで過ごすだけの客がたくさん来るそうだ。トロントからは4泊5日、全て込み込み5万円のツアーも可。ちなみにここで、こういうホテルに泊まるとすると、二人で150ドルだった。街の大したことないレストランの食事が一人50ドルもするのだか圧倒的に安い・・・しかし、ずっと先まで予約でいっぱいだった・・・他のホテルは、設備の割にはかなり割高。朝早く、ビーチを散歩するとカリブ海の美しい可愛い貝殻がたくさん落ちている♪
 ビニャーレス  バラデロ→ビニャーレス 22CUC(5時間)
                       石を投げればカサに当たる程、カサがたくさんある。街の中心にターミナルがあるがそこから四方八方にカサがある。
                       どこも部屋は改装されてきれいになっている。あまり遠くない所は便利だが、街の外れは静かでのどかで景色が
                       美しい。
                       カサ 二人で20CUCが相場だが、買い手市場なので二人で10CUCは簡単に可。
                       CirculoSocial 夕食 3.5CUC (ローカル用レストラン、ビール付、バスターミナルの裏辺り)
美しい谷にのどかな村が点在するビニャーレス。見晴らしのいいなだらかな道がどこまでも歩いていけそうな気にさせる。行き交う村人は、皆手を上げて挨拶してくれる。言葉はいっこうに通じないのに、そんな事は大した問題ではないとばかりにお構いなしにしゃべり続ける。この村にゆっくり滞在するなら、トレッキング・コースは至る所にある。 谷のどこを歩いていても、村人に会うので迷う心配なしだ。山の中腹に4軒だけの村ロス・アクラティコがある。そのブルーのソフィアさんの家からは素晴らしい谷の景色が眺められる。訪ねると、見晴らしの良い庭に入れてくれて、サトウキビのジュースを御馳走してくれた。
  

通貨 1CUC=約100円
    1CUC=24Cubaペソ
 * 両替所によってはもっと
    良いレートがあるらしい