カーンチープラム     タミルナードゥ州


                                                
    バス マハーバリプラム→カーンチープラム 20Rs
     ホテル Sri Rama Lodge 95Rs シングル (シャワー、トイレ付き) まぁまぁだったが、トイレの上の窓のガラスが無く、
                           隣接している向かいのビルから丸見え。仕方なく新聞紙を貼った。

    
    マハーバリプラムからカーンチープラムの間は今まで見たインドのどこにも増してきれいな田園風景だった。
     そんな中、バスが自転車で移動する旅人を追い越した。もしや、やはり日本人だった。南インドの路線バスは長距離も
     全て、窓のガラスが無い。目的地カーンチプラムを調べようとガイドブックを出した時、窓からの風にあおられ危うく飛ばしそう
     になった。途中窓からは小さい村の小さい店が見える。鶏屋を過ぎた時はまさに鶏の首を切ったところ。すぐ先ではちょうど
     これもヤギの首を落としたところだった。

     バスがカーンチプラムに着くや、リクシャマンがぴったりくっついて離れない。ホテルの場所が皆目分からないので仕方なく
     訊いたが、なんだ目と鼻の先。それでも教えたとばかりにもう離れない。市内有名寺院を4箇所周って300だ200だと
     云ってくる。急かされるのは嫌なので、一箇所だけ頼む事にしたがやはり現地相場からは破格の往復70Rsだった。

     この街は、バナーラシと並ぶインド7大聖地の一つ。街には200あまりの寺院があるという。そう云えば、あちこちに
     ゴープラムが見える。広いようでいて、結構歩いて回れる。歩くといろいろな物が目に付いて面白い。寺院の前には決まって
     物乞いがいる。リクシャが到着すると、すかさず寄ってくる。しかし、歩いて寺院に来る人にはあまり感心を持たない。そこへ
     日本人が徒歩で現れたので、急いで営業用の顔に切り替えるのに一瞬の間合いが微妙に崩れていた。

     カーンチプラムの寺院には昼休みがある。12時から16時までが休みになる。そうすると、見学は慌しい。

     この街は夜が楽しい。人々が夜も街に繰り出してくる。寺院は夜参拝の人で賑わい、寺院前の屋台も人だかり。シヴァ神が
     花車で練り歩き、太鼓が響き渡る。あちこちのコープラムを追いながら歩いていると、華やかなガーデン・パーティーに
     ぶつかった。マハラジャの娘の結婚パーティーだという。雰囲気は垢抜けていて参加者はファッショナブル。
     こうしたパーティーに見ず知らずでも日本人は参加を促される。
バスターミナルの近く。髪に付ける花飾りを買う女性。仕事からの帰り奥さんへの土産に買う男性をよく見かけた。
一度、買ってあげようかというインド人男性がいたが。ホントに欲しくないのだ。
サリーの女性、裸足のリクシャマン、牛。
寺院と寺院の間をキョロキョロしながら歩いた。これは集めた牛の糞。手で挟んでパンパンと平らにして干して燃料に。売っているのもあるが、自分で拾ってきて作る人も多い。 カーンチプラムでは毎晩シヴァ神が花車に乗って街中を練り歩く。
 ワラダラージャ寺院  寺院の肝心な所へは入れない。聖池には魚がたくさんいて、皆米フレークをあげている。藻で水が緑色に
               なっている池に入り、口にその水を含んだり飲んだりはどこでも同じ。
               ここの寺院では、男性が額に横3本線を描いている。寺院の門を入るとホールがあり、有料。でも1Rs
 カイラーサナータ寺院
               寺院まで歩いていたら、通りかかった男の子が自転車に乗せてくれた。ゆるい坂だったので重そうだった、
               すまん。この寺院は現在は使われておらず、見学のみ。マハーバリプラムの海岸寺院に似ている。
               彫刻が美しいが、だいぶ修復され、全体的に新しくなってしまっている。
エーカンバラナタール寺院
  
ここは、実に面白かった。カメラをチェックしているので写真が無いが、中はインディージョーンズの魔宮状態。
60メーターのゴープラムも異様なら、540本もの柱が建ち並ぶ薄暗い寺院内は実に異空間。寺院内、本殿への入り口には外国人から不正に入場料を取ろうという男が立ちふがっている。しかし無料と知っているので無視。喚いていたが、相手にしない。本殿内部は広い。柱で囲まれた通路は無人。多くの人が本殿に入るが、額3本線、上半身裸の僧侶がいるロウソクの明かりのみの怪しげないくつもの小部屋に吸い込まれていく。小部屋に入らないで、本殿の周りを歩ているのは気が付けば自分ひとりだった。その通路は同時に多数のシヴァ・リンガにも囲まれている。たまにすれ違う信者達はそれらのリンガに丁寧にお辞儀をしていく。
       バンガロール            カルナータカ州

         
 
  バス カーンチプラム→バンガロール  103Rs
   ホテル Vardhaman Paradise 300Rs  シングル (シャワー、トイレ付き) テレビ(NHK可)、新聞付き超清潔、超快適
                       *バンガロール バスターミナル付近には日本語打てるインターネットが無かった。

   バンガロールはチェンナイに次ぐ大都市。緑も多く、中心地MGロード付近はハイセンスな店が並んでいる。
   バスターミナルからは市内を網羅した路線バスは発着しており、リクシャには悪いがどこに行くにも便利。
   街はMGロード辺りの近代的繁華街とシティー・マーケット辺りのインド正統派旧市街が面白い。
   ここでの目的はMGロードの高級ホテル、タージ・レジデンシィーの美容院。ヘヤダイは720Rsだった。ついでの
   チョコムース・ケーキはどう見ても3人分、65Rs
   プッタパルティー    アーンドラ・ブラデーシュ州
    サイババの聖地
   バス バンガロール→プッタパルティー 103Rs
                  サティア・サイババのアーシュラムがあるプッタパルティーへはバンガロールからが便利。
                  バスも定期バス、特急バス(少々割高)と多数出ている。

   ホテル Sai Teja Deluxe Lodge 100Rs シングル (シャワー、トイレ付き)
                  予想に反して、ホテルはとても安くて快適。

   サイババの街プッタパルティーは想像を遥かに超えた繁栄だった。
                     
街の遥か手前には検問があり、アルコールの持込がチェックされる。信者で満員のバスは
落ち着いた中にも何やら 人々の高まりを感じる。隣のおじさんは“サイババに会えば、
多くの事が変わるんだよ”と。また、バスには明らかに体の具合の悪そうな人も、病気を治して
もらうんだと云う。遥か手前からサイババの臭いに満ち、街に入ればもうサイババ一色だった。
バスターミナルはほぼアーシュラムの向かい。街を行き交う人は白装束が目立ち、どこの
土産物屋もあのアフローのサイババポスターで埋まっていた。
勝手分からずに到着したが、ホテルを決め荷物を置き、目的のアーシュラムに入るには手続きが
必要と判明。女性はサリー若しくは白のパンジャミーナ(この街の何処でも買える)を着なければ
ならない。そして外国人はパスポートのコピーを提出し、コピーの裏にレジスターしてもらい、
同時に係官がノートにも記録を取る。
いよいよ、アーシュラムに入るが、持ち物はいっさい認められない。貴重品はパンジャミーナの下、
体に括り付ける。履物を片隅の山になっている所に置く。アーシュラムはマハラジャ宮殿顔負けだ、
シャンデリアは200まで数えたが。アーシュラムの建物はまだ新しい。広さは体育館4倍から
6倍位だろうか・・・手すりで囲まれたアーシュラム内は外からも覗けるが、何せ広いので
オレンジ色の長着でアフローのサイババは見えるがかなり遠目になってしまう。
祭壇上では関係者と中央にサイババが椅子に腰掛けている。アーシュラム内には指導者達と
信者達のサイババを称える歌が延々と響き渡っている。なんとか、サイババがよく見える
ポイントを探そうと右往左往している内に時間切れ。サイババは宮殿に引き上げてしまった。

     日に2度お出ましになるサイババを見るチャンスは翌朝4時から並ぶというもの。いくらなんでも
     4時は嫌なので、6時に行ったらもう大勢の人が静かに並んでいた。男性はそのまま来た順にアーシュラムに入っていくが、
     女性は片隅に座り並ばされ、厳しい管理下に置かれる。やっと、アーシュラムの女性の場に到達しても、落ち着く間が無い。
     できるだけ多くの人を入れようとするため始終スペースを詰めるよう移動させられ続けるのだ。いよいよ時間になり、
     ありがたやサイババ
お出まし。昨日は座っていたサイババを見ただけだったのだが、その理由が判明。もう歩けないのだ。
     赤のマーチそっくりの車のままアーシュラムに入り、場内の祭壇前をひと回り。車はそのままスロープを上がって祭壇の上に。
     車から両脇を支えられながら降りたサイババはすぐに王座のような椅子に座ったというより座らされた。後はもう昨日と同じ。
     大音響でサイババを称える歌が始まり、サイババは終始椅子に座っているだけ。灰も撒かなきゃ、何もしゃべらない。
     かつて、サイババが華やかにやっていた頃は新興宗教のまやかしと思っていたが、どうやら巨大な組織に祭り上げられ、
     機械的に動かされ操られている気の毒な偶像人間に見えてきた。以前の脂ぎった小太りの面影はもはや無くやせて弱々しい
     77歳よりはずっと老けて見える老人がいるだけだった。