バイタクに跨って40キロの道のりは、太ももが段々しびれて来る。途中、緑豊かで長閑な田園が続く。
しかし、急に現れる看板には拳銃の所持放棄を呼びかけるものが目立つ。
  
人気のバンテアイ・スレイ周辺は、土産物屋や飲み物屋で賑わっている。観光バス始め、二人乗りルーモー、バイタクなどで
朝から次々と集まってきて、狭い寺院は人でいっぱいになる。
寺院横では目や足などが不自由な人達がカンボジア民族音楽を演奏している。
  
ここも、かなり破壊されてしまっていて寺院参道、門などは惨憺たるものだ。しかし、寺院コンプレックスの隅々までに
残された繊細な浮き彫りにはすっかり魅了されてしまった。
  
現在、寺院本殿の建物には修復中で入れない。
  
半人半獅子のナラシンハには独特の存在感がある。
  
細かい浮き彫りも近くで見ると、彫りが深く質量間がある。赤色砂岩が温かみのある優美さだ。
  
寺院表面の浮き彫りは結構厚みがあり、花びらや炎などの薄さは繊細を極めている。
  
石に彫ったとは思えない。浮き彫り技術の粋を極め熟成され完成された技だったのだろう。
  
寺院には触るほどには近づけない。ふっくらと丸みを帯び、壁面を華やかにしているデバダー達は重心を片足に
掛けたポーズで微笑んでいる。
  
寺院の周りは濠が囲んでおり、そのまた外側を壁が巡っている。
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